今回『「任せ方」の教科書』(出口治明, 2013)の一節を読んで、「グローバル」の意味について目から鱗が落ちました。
「世界は一つになった」ってどういうこと?
そもそも、「グローバル」は「地球全体」を意味するので、地球全体が一つの経済圏になっている状況を表しています。これまで、飛行機などの「交通技術」や、あるいはインターネットなどの「情報技術」によって、グローバル経済になったのだと思っていました。
あるいは、文化的には「グローバリズム」というとアメリカを中心とする価値観の押し付け、という印象を持っていました。
自由経済市場の中で暮らしている
しかし、歴史の視点で見てみましょう。冷戦の終焉で、自由経済市場でのプレーヤーの数が一気に拡大します。東西冷戦が終焉するまで、自由経済市場は「日米欧10億人の間で行われるゲーム」でした。冷戦で分裂していた2つの経済が、社会主義国家であった旧ソ連や中国が市場を開くことで生まれた、この一つの同じ経済圏を「グローバル経済」というのです。
出口治明『「任せ方」の教科書』 p.58
そもそも、普段、「自由経済市場で暮らしている」という意識はありますか?
私はあまり意識していなかったのですが、身の回りを見てみましょう。
確かにいつのまにかMade In Chinaの品物にあふれています。
私たちの消費生活は大きく変わり、それはとりもなおさず、私たちのビジネスにも影響しています。
つまり、安価な製品が商売敵になっているということです。
小手先の仕事術でいいの?
現代日本で、働き方を考える際、グローバル経済の変化ということは重要な要素で、様々な角度のビジネス書で共通して触れられる話題です。もっとも単純化して考えると、ここ30年で参加者が5倍に膨れ上がったゲームをする以上、同じプレイスタイルではうまくいかないということです。
もちろん、いつの時代でも仕事のやり方を変えていく必要はあります。でもやみくもに変えてうまくいくわけでもありません。
では、どう変えていくか?
その方向性を考えるヒントになるのが、この「新たな参加者が増えた」という事実を意識することです。
新興国市場では、それまで日米欧で売れたものがそのまま売れるわけではありません。
サービスもそうです。
仕事術という、ただ単に日々の効率化をするというミクロな視点だけでなく、どういう働き方がグローバル経済で有効なのか、というマクロな視点が大切なんだと思いました。