AIはバグる宿命 ~ タイガーキメラバグの思い出

こんにちは。はじめてゲームで「バグ」の存在を認識したのは、有名な「タイガーキメラバグ」でした。



「タイガーキメラバグ」は、SFCソフトの「聖剣伝説2」のバグです。

ボス戦後に、音楽が鳴らなくなり、ボス部屋から出られなくなるというバグで、実はタイガーキメラに限らず、どのボスでも起こる可能性があります。

とにかく急に音が鳴らなくなって不気味なんですよね。

発生しやすい状況としては当時から以下がいわれていました。

  • 魔法で倒した時
  • レベルアップした時
  • セレクトを押した時

今回調べ直してみると、こちらのページにわかりやすい説明がありました。

例のバグですが,1Pが操作中のキャラと最後にリングコマンドを開いたキャラとが異なる状況のままボスを撃破してしまった場合によく起こるそうです。
キャラ変更のタイミングは問わないようで,最初に変更した場合であろうと撃破時にセレクトボタン(操作キャラ変更用のボタン)を押してしまった場合であろうと条件を満たしてしまっているのならば高確率でバグるようです。
要は既にキャラ変更済みでリングコマンドも開き忘れているのだとしたら撃破時にセレクトボタンを押さないように気を付けたとしても無意味だよって話です。
反面,操作キャラとリングコマンドを開いたキャラとが一致してさえいれば大丈夫ということなので,ボス戦中に操作キャラを変更した場合にはリングコマンドを開くのを忘れないように気を付けてさえいればバグの発生は防げる模様です。


なるほど、アクティブキャラクタの認識が「操作キャラ」と「リングコマンドキャラ」でおかしくなって、位置判定や接触判定などに影響を与えているのでしょうか。

このようにどのボス戦でも起きるバグなのですが、なぜか誰に聞いてもタイガーキメラ戦が印象的です。

これは、最初の苦労するボス戦で、魔法などのリングコマンドも使用することで起きやすいこと。

苦労して勝ったのに先に進めない不条理感で、記憶に残っているのでしょう。

---

ちなみに、遊んでいたときは意識しなかったのですが、今思うと聖剣伝説2の仲間AIはかなり優秀で、おバカ感が目立ちませんでした。

このようなAIをSFCという16bit CPU, 128KB RAMで実現していたのだから驚異的です。

ナーシャ・ジベリ最後の超絶プログラムが炸裂する戦闘はまったく待ち時間がなく、味方のAIも賢い。


リアルタイムバトルが仕様なので、クロック数を稼ぐためにアクロバティックなコードが必要だったのでしょう。

そう考えるとバグにも納得がいきました。

---

さて、バグの思い出を振り返ったのは、たまたまYoutubeでFF XVのバグ動画を見たからです。


ゲームプログラムがさらに複雑化しているので、バグも多彩ですよね。

FF XVの限らず最近のゲームでは、戦闘でプレイヤーの替わりをするだけでなく、音楽や環境の調整などいろいろなシーンをAI(Artifitial Intelligence 人工知能/ Automation Intelligence 自動判断)によって制御しています。

AIの良さは、少数のルールやシステム(学習機構)によって多彩な状況に対応できることです。

それゆえ、AIは必ずプログラマの想定していない状況に対処することになります。

その対応が人間の求めるものであればよいのですが、常にそうなるとはかぎりません。
そこで人間の都合ではじめて「バグ」が発生することになるわけです。

このような性質上、AIは取り返しのつく局面での運用は有効ですが、取り返しのつかない状況で、人間の補助なしに運用することは危険ですよね。

人間がAIの補助を必要とするように、AIも人間の補助を必要としているのだと思います。