昔、社会科の授業で習ったときは、独占は市場経済の調整のしくみを阻害すると教えられたように思います。
つまり、独占禁止法は競争によって経済を活性化させるための法律です。
その独占禁止法を弱めるという発想が出てくるということは、現状は地域外との競争のために経済が疲弊しているということなんですよね。
ただ、独占的な状態を作って経済を回す方法には危うさもあります。
地域の企業が統合されると、確かに不要な設備を省略することができます。
これまで都市銀行の統合でも、重複する 支店を閉鎖するようなことによって費用を減らすことができました。
さらに競争相手が少なくなれば、価格を上げることができます。
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価格と費用によって生まれた収益はどうなるのでしょう。
収益は企業を持続可能なものにします。
でも、独占的な企業は立場が相対的に強いので、その収益は賃金には回りにくく、物価の上昇に賃金が追い付かないことになるかもしれません。
もちろん、働く職場がなくなってしまえば賃金は0になってしまうので、企業存続は労働者にとっても価値があります。
しかし、労働者の生活実感として「良くなった」とは思うには届かないのかな、と思いました。
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現状は国家も企業もこれまでのシステムを維持するのに精いっぱいなわけです。
だから、個人は逆に維持することだけを意識してはダメです。
それでは、徐々に周りの環境が悪くなって人生設計が狂って来ることになります。
現状維持はマイナスと思って、考えないといけないなあと改めて思いました。