組体操は、リスク管理の問題として、教員と保護者と共通してかかわる話です。
部活動は、教員の働き方(残業)に関する話です。
さて、今日はこの組体操について少し考えてみたいと思います。
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組体操は、運動会で危険な大規模な事故があって、多くの学校で廃止になっています。
しかし、組体操の代わりに競技として、新たに同様な危険な競技をするケースもあるようです。
運動会の組体操では、3つの問題点が指摘されました。
一つは、安全を軽視する姿勢です。
次に、組体操は体力や社会性を育む指導方法として、あまり有効ではないのではないかという点です。
そして、組体操を無理に推進する一部のいわば「熱血教師」を制止できない、という組織管理の問題です。
保護者の立場からすると安全管理が一番重要ですよね。
一方、現場の教員からは不合理が改善されにくいという、学校組織運営に対する問題意識も大きいようです。
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組織運営に考えてみると、不思議なことがあります。
というのも、組体操は「上意下達」の「軍隊」的なイメージから批判されることも多いです。
であれば、組体操を推進する教員は上意下達か、というとどうもそうではないようです。
もともと教員というのは多くの仕事の中で「自由」で「独立独歩」な部類です。
どうしても権威や権限のある学校長などより、実力と発言力のある教員が幅を利かせることが多い組織です。
権威より実力の社会というと、戦国時代の様相です。
組織としても目的よりも、一教員のポリシーや哲学が優先されてしまうことが多いです。
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さて、危険で見栄えのよい集団競技をしたがる教員には2種類あります。
それは、これまでのやり方を変えたくない、という頑固な守旧派と、そういう教員にアピールしたいと考える事大主義者
です。
組体操問題に感じる思いに、こういった見栄えばかり気にする「保身」が見え隠れすることです。
本来の職務である教育の指導効果ではなく、本来の目的を離れて学校組織一人歩きしてしまっているといえます。
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しかし、このような、「組織の一人歩き」あるいは「暴走」は何も学校に限られたものではないでしょう。
むしろ、私たちの身の回りにたくさんありませんか。
だからこそ、こういう不条理に対してどうにかしたいという感情が沸き起こるんだと思います。
まずは頭を整理して、目立つところだけではなく身近なところから不合理な違和感を見つけていきたいと思います。