色々なおとぎ話で好きな願い事を叶えてくれる魔人が出てくる話があります。
アラジンが有名ですね。
しかし残念ながら、そういった魔力ではハッピーエンドになるということは少ないようです。
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例えば、ギリシャ神話のミダス王の話はご存知でしょうか?
フリギアの王ミダスは強欲で、「触れるものすべてが黄金にしてほしい」と悪魔に願い、かなえられました。
しかし、食物まで黄金となり、結局空腹のあまり元に戻してもらったそうです。
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願い事に限らず言葉というのは、悪意をもって解釈するとどうとでも捉えることができます。
これは日常生活においても注意する必要があります。
言葉の受け手に悪意があれば、どんなに誠意をもって説明しても、けっして理解はえられないということです。
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論理学においては「寛容の原理」というルールがあります。
これは、分析哲学者ドナルド・デイヴィドソンの打ち出した考えで、「議論しあう相手の発言をできるだけ、合理的なものとして解釈する必要がある」という原理です。
つまり、相手の発言はあまり揚げ足取りに終始せず、お互いに相手の意図するように解釈をしようというルールです。
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この対局にいるのがクレーマーですね。
クレーマーは相手の説明を悪意をもって解釈し、自分の結論にこじつけます。
このような言葉のやり取りは不毛ですね。
説明のしようがないときは、話し合いを諦めてください。
法律や金銭・暴力といった、別の次元でないと決着をつけることはできません。
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もちろん多くの場合は言葉で解決できるのですが、相手も話し合いにをしようと言うインセンティブがなければうまくいかない場合があります。
話し合うインセンティブとはなんでしょう。
それは将来の付き合いだと思います。
おとぎ話の魔人は、人間と長く付き合うつもりがないので、相手の言葉を軽く扱うことができてしまうのではないでしょうか。