銀行はホントに衰退産業なのか? ~ テクノロジーが生み出す仕事

こんにちは。前からですけど、テクノロジーの話題で「人工知能が人の仕事を奪うかも……」という話がありますよね。



人工知能に限らず、私たちのライフスタイルはどんどん変化していくので、これまであった仕事がなくなったり、売れていたモノが売れなくなったりということは多いです。

なので、これからの働き方を考える機会って多いです。

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最近よく金融業も「衰退産業」って言われますよね。

かつては安定した仕事の代表格だった銀行。

ただ、正確に言うなら業務としての銀行ではなくて、銀行員という仕事です。

金融に関わる仕事のうち、とくに事務作業の労働が必要とされなくなっています。


今はどの銀行も人員削減計画を発表しています。

そもそもここまで銀行の合併が進んだのも、重複する支店を閉めるため、というのが大きいです。

さらにここ最近は、フィンテックや暗号通貨といった言葉がトレンドになっていますが、もうずっと以前からコンピュータ技術によって省力化が進んでいる分野です。

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プログラミング言語の歴史を振り返ると、最も古い時期のプログラミング言語に、fortranとCOBOLがあります。

つまり、古くからコンピュータが使われる分野には大きく二つあって、科学計算と経理計算です。

fortranは人工衛星の軌道計算などの科学計算に、そしてcobolは経理計算に対応していました。

ちなみにもう一つ最初期のプログラミング言語にlispがあります。


今思うと、1980年代のlispの応用分野のひとつに人工知能があったのは興味深いです。
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それはそうとコンピュータは、最初期の頃から人間の定型的な仕事を置き換えるように発達してきました。

複式簿記の勉強したことのある人はご存知だと思いますが、簿記の試験っていまだに電卓を使うんです。

帳簿から帳簿へ同じ項目を転記して、合計が合っているか均衡を照らし合わす、複式簿記というメソッドは、人がミスなく数値を管理する手法としては、とても優れていると思います。

今ではそういった計算や照合はコンピューターが代行してくれます。

昔は時間と労力のかかった決算作業が、あっという間にできるようになりました。

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もちろん、簿記の知識そのものが無駄になったと言いたいわけではありません。

むしろコンピュータが何をしているのかという理解がなければ、コンピュータのエラーを見つけ出すことができないからです。

プログラムは人が設計するので、バグがつきものだからです。

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科学計算の分野はコンピュータの発達により、色々なシュミレーションができるようになりました。

天文学も地学も薬学も、コンピューターの計算のおかげで、応用分野が広がり、仕事も増えました。

実は金融業も仕事は増えています。

確かに経理・事務の仕事は大きく自動化されました。

しかし新たに生まれた仕事がありますよね。

それは新たな金融商品・システムの開発です。

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ちょっと前に「デリバティブ」という言葉が流行りました。
これは、「派生」を意味する言葉で、より基本的な資産や商品などから派生した資産を表します。

簡単にいうと、株式、債券、金利、通貨、金、原油などのいろいろな原資産の価格を基準に価値が計算で決まる資産です。

こういったものはコンピューターの発達なくしては実現しませんでした。

ほかにも保険もさまざまなリスク計算ができるようになったので、より詳細なプランを作ることができるようになりました。

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コンピュータは定型的な仕事を奪います。

金融業に働く人も、これまでの社会の中でのシステムを回すという仕事から、新たな価値を創造するクリエイティブな仕事になっているようです。

クリエイティブに仕事をするって簡単に言うけれど、ただ突拍子もないことをすることでもないし、ホント難しいですよね。

どの業種においても、仕組みを動かすより、仕組みを作るという働き方を考えていきましょう。