子どもたちが夢中になったプログラミング言語の秘密とは

こんにちは。最近は子どものプログラミング教育が注目されていますが、 2000年ごろにプログラミングには「HSP」というプログラミング言語が ゲームを作りたい人を夢中にしました。



当時、すでにC++やRubyを触っていたので、 Gotoが主要な制御構文になっているHSPは、 使いにくそうという印象でした。

しかし、流行ったのは事実で、その理由はどこにあったのか、 いまでも興味が尽きません。

HSPの設計思想

今回、2000年に発行されたHSPのリファレンス本から、 設計者のおにたまさんの設計思想を読み直してみました。
HSPは、特に新しい言語体系をしているわけではありません。例えば、大規模なソフトウェアを開発するのであれば、他の言語の方が向いていることもあるでしょう。HSPが目指したものは、個人でも楽しめるオールドスタイルなパソコンのシステムです。

Windows95の登場以来、パソコンは爆発的な普及を遂げ、今やパソコンを扱うのは特別な技能ではなくなりつつあります。しかし、ことプログラミングに関しては、言語ソフトの価格や難解なWindowsの仕様などによって、逆にその手軽さは失われ、敷居の高いものになってしまったようです。

(中略)

HSPは、最近のプログラミング言語では常識となりつつあるオブジェクト指向や、コンポーネント技術などとは無縁なスタイルかもしれません。しかし、ここにはプログラムを思った順番に書いてもいい気軽さがあります。そして、小規模なプログラム開発には、それも一つの道だと思うのです。

  HSP WINDOWS95/98/2000プログラミング入門 p.4

いわばマイコンBASICの正統な後継という位置づけなのかもしれません。

HSPは「ためになる」言語より「すぐ手ごたえがある」言語であることを 重視していたともいえます。

HSPとscratch

さて、最近はNHKの教育TVでもプログラミングが取り扱われています。

Scratchが取り上げられていますがどうでしょうか? MITで教育用として作られた「由緒正しい」プログラミング言語です。

これまで学校教育で教えられた言語としては、さかのぼるとLogoやPascalがありましたが、 どことなく同じ匂いがします。「プログラミングの概念を教える教材」という位置づけです。



つまり、Scratchなどは安全なように「柵で囲われた遊技場」のように感じます。

それに対してHSPは「ブレーキのない車」のようで、 遊びものとしてはスリル満点です。

なかなか子どもは大人の思うようには興味を持ってくれないようです。
HSP(Hot Soup Processor)は、Microsoft Windows上で手軽に使えるスクリプト言語システムです。テキストによるスクリプトを書くだけで、誰でも簡単にWindows上で画像表示、メニューシステムの構築ができます。多彩な命令セットを使いこなすことでCG集や音楽集、デモンストレーション、そしてゲームアプリケーションまで作成することができます。
HSPの特長
簡単におぼえられて強力な命令セット
高速で動作する中間言語処理インタープリタ
標準でBMP、MAG、JPG形式の画像ファイルに対応
WAV、MID、AVIファイルやCD再生など各種マルチメディアコントロールが可能
作ったプログラムやデータを一括してEXEファイルに変換できる。
Windows標準のスクリーンセーバーが作成可能
作ったプログラムは自由に再配布が可能、ライセンス料も不要
拡張プラグインにより、数多くの機能を追加することが可能