悩んでいるさなかに「考えてもしようがない」なんてなかなか思えないもの ~ エニアグラムの9つの悩み

こんにちは。自分の悩みはわかってもらえないと思って、押しつぶされそうなときってありますよね。
そんなときに読んで楽になった話がありますので、ご紹介したいと思います。

最近、「9つの性格」というキーワードをよく書店で目にします。
だいたいが「エニアグラム」という考え方をもとにしていると思います。

はじめてエニアグラムに触れたのは10年以上前で、そのときは性格分類に興味があって知りました。
エニアグラムでは、人の恐れや不安を9つの基本形に分類します。
    • 1 Fear of being bad, corrupt, evil, or defective
      自分は悪い人間なのではないか
    • 2 Fear of being unworthy of being loved
      自分には愛される価値がないのではないか
    • 3 Fear of being worthless or without inherent value
      自分はもともとつまらない人間なのではないか
    • 4 Fear of being without identity or personal significance
      自分は自分自身に噓をついて生きているのではないか
    • 5 Fear of being useless, incapable, or incompetent
      自分は能力のない劣った人間なのではないか
    • 6 Fear of being without support or guidance
      自分は見捨てられるのではないか
    • 7 Fear of being deprived or trapped in pain
      自分は満たされていないのではないか
    • 8 Fear of being harmed or controlled by others
      自分は人にいいようにされているのではないか
    • 9 Fear of loss of connection, of fragmentation
      自分は人とのつながりを失ってしまうのではないか
(The Wisdom of The Enneagram(原著より意訳), p.32)
これは、その人の求めるものの裏返しでもあります。

人の望みは大きくわけると、自己の実現・他者からの承認・環境の安全と捉えることができます。

私がこの表を見て目から鱗だったのは、自分の悩みは絶対的なものではないということです。

自分にとっては大きく見える悩みも、性格の違う人のとっては悩みにならないということです。

そして、それでもその人はまた別の悩みを抱えて生きているということです。

悩んでいるさなかに「考えてもしようがない」なんてなかなか思えないものです。
でも、9つの悩みには、自分からしたら「たいしたことのない」と感じられるものもあるのではないでしょうか。

人から「見ると」自分の悩みもたいしたことのない、というと、これまで自分の「本当に悩んでいること」はわかってもらえていないと感じてきましたが、はじめて「状況をわかっていても」全く気にしないこと、でもその人にも悩みがないわけではない、ということに目が開きました。

感受性の違いってあるのだなあと、それは感度の違いではないのだなと、腑に落ちました。

自分の状態が「わかる」と心構えができて、だいぶ楽になるので不思議です。

上の本の和訳も刊行されています。


corrupt 堕落した、汚染した
defective 欠陥のある
unworthy of ふさわしくない
worthless 価値のない、役立たずの
inherent 本来備わっている、生まれつき持っている
identity 自己の証明、独自性
significance 意味、意義
useless 役に立たない、無駄な
incapable 無能な
incompetent 能力のない
deprived 恵まれない、人並みの生活をしていない
trapped 閉じ込められた
harm 害する、傷つける
control 支配する、統制する、規制する
loss 失うこと、損失
connection 関係、つながり
fragmentation 分裂、崩壊