働く場を提供していることへの恩義
確かに、働く場を守るのは大変なことです。売上が上がらなかったり、退職があったりすると、どうしても従業員に対して、もっと恩義を感じてほしいと思ってしまうものです。
起業家の仕事は仕組みづくり
基本的に顧客から求められる仕事量には波があります。起業家の仕事とは、それを均して日々の営みとして処理できるようにするシステムを維持していくことです。
被雇用者の最大のメリットは安定して働けること
逆にいうと被雇用者の最大のメリットは、このシステムの保護化で生活できることです。多くの人が会社を辞める踏ん切りがつかないのも、従業員というライフスタイルには安定性があるからです。
でも、メンテナンスする側にまわるとよくわかるのですが、このシステムってけっこう繊細なんですよね。
安定して給料を出すということに頭を悩ませる経営者の方にとって、従業員にもっと恩義を感じてほしいと思うという気持ちはよくわかります。
借金経営は人を分断する
働く場であるオフィスや店舗を作るには、借金をすることもあります。
借金そのものは悪ではないのですが、経理からみると支払利息が経営の負担になるものです。
だから、経理担当者は、従業員でも経営者でも会社で浪費するのを見ると、人から借りたお金で何やっているの、という思いがあるものです。
逆に考えると、借金経営の難しさはこのあたりの心理にもあります。
つまり、組織の中の営業部門と経理部門の間に意識の違いを生まれてしまうのです。
誰が飯を食わせてやってんだ
しかし、働く場を守る人がいて、働く人がいて、この協業で富が生まれます。
経理も営業も経営者も、食い扶持は皆一緒です。
「誰が飯を食わせてやってんだ」といいたくなるものでしょうが、これって夫婦でもNGワードですよね
けっきょく恩着せがましい態度は、恩にはつながらないですよね。
誰のプラスにもなりません。
こういう発想を自分で解消できない人は経営に向いていないし、自ら損してしまうものです。