危うい「選択と集中」の見分け方

こんにちは。経営の基本に、「選択と集中」(Selection and Concentration)という考え方があります。



ドラッカーが提唱していることでも知られていますね。

複数の目標を同時に達成しようとして力が分散してしまうと、どれも中途半端になってしまう、ということで私たちの日常感覚にも合致しますね。

しかし、ネットの記事で「選択と集中」という言葉だけで不合理な事例を見つけたので、考えてみます。
友人はアムウェイで稼げるようになるのを待たず会社を辞めた
それから約半年後、彼は何を思ったのかアムウェイによる収入が毎月2,3万円しかない状態で会社を辞めてしまいました。
どうやら、アムウェイの先輩から「目標未達成が続いている。お前が成功できないのは努力が足りないから。コミットしろ。」と言われたようです。
友人「これからはアムウェイ1本でやっていくよ!選択と集中ってやつだね!」

この「友人」の「選択と集中」という言葉、なんか欺瞞的な匂いを感じますよね。

一見、戦略的な行動に見せて、実は現実逃避なのが、透けて見えます。

リストラ(事業再構築)するなら何から切る

選択と集中は、 リストラ(事業再構築)の文脈で出てきます。

つまり、単純に言うと、不採算を整理して、有望な分野に資源を集中する、ということです。

この場合、サラリーマンとネットワークビジネスという二つの事業について、どちらを選ぶべきかという問題になりますが、どういう選択が合理的なのでしょうか。

麻雀の牌の切り方みたいですね。

「友人」は、「将来性」を考えてネットワークビジネスに一本化するのですが、
まだ、実績がでていない段階で既存の安定収入を切り捨てる、というのです。

これには、周囲の人間は危うさを感じるわけです。

一般に企業では、ドル箱を捨ててまで新規事業にかけるということは考えにくいです。

この場合は、新規事業が育つまでは両立するのが定石です。

現状を変えたいからこそ「のめりこみやすい」

なぜ、個人のレベルでは、特に素直な人はこういった間違えをしてしまうのでしょう。

「現状を変えたい」という思い、「今まで変えられなかったので、今回は頑張りたい」という焦りが、平常な判断を狂わせるのではないでしょうか。

ポジティブに変えるのは良いです。

現状維持バイアスに流されないことも大事です。

ただ、何かに挑戦している時点で一歩前進しているので、現状からは進んでいます。

一気に全賭け(オールイン)という判断に焦りや熱狂がないか、よく気を付けてみてください。

ギャンブルでも「負けが込んでいるときの全賭け」はアンチパターンですしね。

現状を変えたいという人は応援したいです。

だからこそ、多角的な情報にアンテナを広げてくださいね。