小春(@55koharuno)さんのブログ企画に参加させていただきました。
🍀お久しぶりのブロガー企画🍀
「私のとっておきの一冊」
をぜひご紹介してください!( ¨̮ )
ブログ記事でオススメの本をご紹介のうえ#私のとっておきの一冊
とハッシュタグを付けてツイートしてください。
のんびりとご参加頂けたら嬉しいです〜(*´꒳`*)♨️https://t.co/RQJMaiLcc5
— 小春@うたたねライター♨️ (@55koharuno) January 14, 2020
とはいえ、またしても やや応募締め切り後ではありますが。
「私のとっておきの一冊」、よかったらどうぞ。
とっておき
皆さんには、「とっておきの一冊」ってありますか?「とっておき」とは、「いざというときのために、大切にしまっておく」ということだそうです。
なるほど、大切な本であり、「いざというとき」のためなんです。
「いざというとき」か……
母と子のテレビ絵本
「いざというとき」ではないのですが、小春さんのツイートを見て、パっと思いついたのは『クレヨン王国の12カ月(福永 令三さん, 1980)』です。
作者の福永令三さんは、この『クレヨン王国の十二か月』で1964年に第5回講談社児童文学新人賞を受賞されています。
もう、半世紀前になるロングセラーなんですね。
この物語を、私がはじめて知ったのは たしか NHK教育テレビの「母と子のテレビ絵本」という番組。
毎日、少しずつお話しが進んでいくのを、子どものころに見た覚えがあります。
懐かしい…。
あらためて調べてみると「母と子のテレビ絵本」は1990年に開始。
最初は夕方17:25-17:40に放送されていたそうです。
夕ご飯前に見ていた記憶があります。
『クレヨン王国の十二か月 (講談社ファミリーブック―NHK母と子のテレビ絵本 (13))』の出版年を確認してみると、1991年2月ということなので、おそらくクレヨン王国の放送は1990年なんでしょう。
8歳のころだから、小学2年生か。
クレヨン王国のほかにも、「ルドルフとイッパイアッテナ」とか、思い出に残っていますね。
間違え
この「クレヨン王国」が特に記憶に残っているのは、一つの思い出がありまして。テレビで見た後に 自分でも読みたいなと思って、本屋さんで買った本なんですよね。
それが「初めての本」と言えるかは、ちょっと曖昧なんですが、自分で買って自分で読んだ本の記憶としては一番古いのです。
ところがですよ!!
本屋さんから持ち帰った本を読んでいると、
「あれ?テレビで見たのと違う…」
そうなんです。
間違えて買ってしまっていたのでした。
私が買ったのは『クレヨン王国 新十二か月の旅(1988年)』。
(こちらもおススメです)
その後 20年以上たって、改めて『クレヨン王国の十二か月』を読み返すことがあり、今も手元にあります。
わるいくせ
話を『クレヨン王国の十二か月』に戻しましょう。大みそかの夜、ユカが目をさますと、12本のクレヨンたちが会議をひらいていた。クレヨン王国の王さまが、王妃のわるいくせがなおらないうちはかえらない、といってゆくえをくらましたのだ。おどろいた王妃は、ユカといっしょに王さまをさがしもとめて、ふしぎな旅に出る。この本は、クレヨン王国の王妃さま シルバー王妃が12個の「わるいくせ」を直すための旅のお話です。
12のわるいくせが、どんなのかというと……
カメレオンは、りょう手をひろげて、賞状でも読むように、王さまの家出の書きおきを読みあげました。旅の道中で訪れる それぞれの街では、その「わるいくせ」をもつ人たちが出てきて、なにかと大騒動になります。
「シルバーよ、わたしは、あなたが、十二のわるいくせをあらためて、王妃のくらいにふさわしい女になるまでは、だんじて、お城にはもどらぬぞ。その十二のけってんとは、一つ、ちらかしぐせ。二つ、おねぼう。三つ、うそつき。四つ、じまんや。五つ、ほしがりぐせ。六つ、へんしょく。七つ、いじっぱり。八つ、げらげらわらいのすぐおこり。九つ、けちんぼ。十、人のせいにする。十一、うたがいぐせ。十二、おけしょう三時間」
シルバー王妃とユカは、知恵と工夫でそんな大騒動を解決しながら、最後は自分たちの「わるいくせ」でどんでん返しがあったり。
子ども心に登場人物のユカに感情移入して、王妃といっしょに12の街を旅しながら、そこで「わるいくせ」がなぜ「わるい」のか、を知っていきます。
身におぼえ
あらためて、この本が好きだなと思うのは、ユカの目線なんですよね。ユカは、カメレオンが一つ一つ、読み上げるたびに、ひやりとしました。というのは、王妃さまのわるいくせは、どれもこれも身におぼえがあって、まるで、じぶんのことのような気がしたのです。ユカは王妃をよこに見ながら、その「わるいくせ」を「じぶんのこと」と感じるのでず。
それでも 相手に困ったり、ぶーぶー文句を言ったり、それでいて どこか相手を憎めず ついていくのです。
12か月かけて、12の旅をするあいだ、王妃さまの身分を隠すためにユカは「マリねえさん」と呼んでいます。
マリねえさんは、ずいぶんわがままで、ユカをこまらせたのですが、また、とてもゆかいで、たのしい人でもありました。
長い一年のぼうけんりょこうをつうじて、ユカはマリねえさんが、だいすきになっていました。
大人になって
この本を改めて読んだのは、わりと落ち込んでいたときで、いろいろ悩んで、むつかしい本を読みあさって、最後にたどりついたのが、ふと この本だったでした。
ひらがなと句点まじりの 文章は、私の心の中に すーっと入ってきたのを覚えています。
読み始めたら、止まらなくて いっきに読んでしまいました。
人の「わるいくせ」で困ることがあったり、自分の「わるいくせ」で人を困らせることがあったり、それを直すことがあったり、それでも直せないことがあったり、だからといって それも愉快で楽しい。
なんか バタバタと12カ月の旅をしながら、不思議と「わるいくせ」との付き合い方を知り、「わるいくせ」もふくめて好きになれる。そんな本だと思います。
やっぱり、この本は いざというときのための大切な本 なんです。
きっと読んだことのある人も多いと思います。
もし、本棚にあったら そうっと手に取ってみてください。
旅をするには いい時期なのかもしれません。
では、また。
こちらもどうぞ
【ブロガー企画】私のとっておきの一冊(小春のきらきら日和)
今の仕事が 「この世のすべて」でもない。 ~ 「この世にたやすい仕事はない」(津村記久子)
同じ努力にもじぶんにしっくりくるやり方と背伸びして息切れするやり方がある ~「このままこのまま」(山崎まさよし)
購買部