口に苦いなら良薬のはずと錯覚する心理 ~ 後件肯定の錯誤

こんにちは。パセリやセロリって好きですか?



子どものころは嫌いだったんですが、最近はアクセントとしてならおいしいと感じるようになっています。

むしろ、健康に良さそうなので、料理に入っていれば食べるようにしています。

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さて、なんとなく「セロリって健康に良さそう」と思うのですが、この観念ってどこから生まれたのでしょう。

もちろん、栄養学的に正しいのかもしれないですが、この固定観念は「良薬は口に苦し」ということわざの連想で生まれているのかなと思います。

しかし、実はこの固定観念は論理的には誤まりです。

実際には「口に苦いからといって、良薬とは限らない」のです。

「逆は必ずしも真ならず」ということを見落としてしまうことを「後件肯定の錯誤」といいます。

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ところでこのミスリードを意図的に説得の場面で使うことがあります。

『韓非子』の「難言篇」にこんな一節があります。

古来、賢人が君主に正しい意見を述べても、君主が愚かであれば、逆に賢人が疎まれ脅かされてしまう例が後を絶たない。金言耳に逆らう。

実はこれを君主に述べているのが巧妙なレトリックなのです。

私の意見が聞き入れないようでは、賢明ではないと暗に述べることで、リーダーの自尊心に働きかけています。

まるで自分を「苦い薬」といわんばかりです。

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現代に置き換えると、上司や顧客などの権限を持つ相手に対して、うまく自説を通すときに一つ応用できそうな手です。

実際いろんなセールストークで、あえて難点をいうことで利点を強調するテクニックを見ることがありますよね。