「愚痴のメッセンジャー」というお仕事

人の愚痴を聞いていると、
「そんなに言うなら本人に言いなはれ」と思って、
「愚痴のメッセンジャー」に
なることがあります。




突き放すわけではないけれど、
ホントに言いたい、そしてわかってもらいたい相手は、
自分ではなくって、話題の相手なんだろうなって感じるからです。

伝えられないなら、伝わるようにできないかな。

愚痴を伝える危険性

ただ「愚痴のメッセンジャー」は、注意しないと、これはけっこう危険な立ち回りです。

ただ、〜〜って不満を言ってた
と伝えるのでは、「告げ口」になって
かえって人間関係がこじれてしまいます。

一応心掛けているのは、
「最近、なんか〜〜で大変そうで
自分もなかなか聞けないし
どうしたらいいかなぁ」という
相談の形にすることです。

結局、本人に直接聞いてもらうことが大切です。

愚痴を言う人の事情は?

愚痴を言う人には相手に直接「言いにくい」という気持ちがあります。

愚痴を言うと「嫌な顔される」とか「結局、わかってもらえない」という不安があるので、相手に直接言えません。

もちろん、それだけでなく、愚痴を言い合って仲間を作ろうとする面もあるので、注意が必要ですが…

言いにくい相手?

一方で、愚痴の話題の人は「気づきにくい」ケースが多いです。

感じ方や立場の違いがあって、相手の不安がわかりにくいのです。

自分の信念が強かったりすると相手の不安を否定しがちだし、
うまくいっていないときは愚痴を、自分への批判と感じて
防衛本能から攻撃的になることもあります。

「言いにくい」と「気づきにくい」のミスマッチ…

我慢のぶつかり合い

人の愚痴を聞いていると
人間関係の問題って煎じつめると

「私はこんなことをずっと
我慢している」と

「それなら私だって
気づいてないかもしれないけど
ずっと我慢してきた」

のぶつかりあいなんだと思います。

愚痴への同調は?

そんな愚痴を言う相手に同調して
燃料をくべるのは簡単だけど
それでできた共感は脆いです。

悪口友達ってあんまり気分がよくないし、
結局、いずれは自分も悪口を言われる側になります。

だったら、人を結びつけることができたら
どっちも強い味方にできるはず。

「とりなし」できる人

「とりなし」というのは自分の価値を高める大事な仕事です。

人間関係のもつれを解決できる人は、仲間の輪が大きくなり、大きな仕事ができるようになります。

関ケ原の合戦の、徳川家康と石田三成の違いについて、この「とりなし」の実績の差が、味方の数に影響したという話を聞いて、なるほどと思いました。

石田三成は実務能力は優れていましたが、
人間関係を円滑化することは不得手でした。