ブロックチェーンと歴史

歴史がなぜ生まれたのか、その理由の一つに世襲制の君主の正統性を説明するという機能があった。

十分に力があれば他の挑戦者を屈服させることができるが、代替わりのたびに揉め事が起こるのも不経済である。

だから「正統性」を説明する必要がある。



銀行通帳も似たようなもので、取引の履歴、つまりヒストリーは所有の起源と正統性を説明する。

ブロックチェーンにも同様の機能があり、保有する暗号通貨の所有の正統性を説明する。



ただ、残念ながら歴史には必ずしも全ての争いを止める力はない。

権利は実力によっていとも簡単に覆されてしまう。

そのような混沌を防ぐために軍隊や警察という実力組織が用意されている。

国家を前提にしないとき、暗号通貨における「実力」は何があるのだろうか。