「衰退産業」との上手な付き合い方 ~ 変わる価値観

こんにちは。自分の業界が「衰退産業」だと感じている方ってどれくらいいるのでしょうか。


まわりを見ると衰退産業ばかり?

最近、魚屋の店員さんと話したのですが、大変みたいですね。
確かに、魚をおろすのには技術が必要だし、焼くと家に匂いがつくとか、面倒なので避ける家庭も多いです。

でも、世の中、環境変化で苦労している人は多そうです。

郵便局員さんもラインに押されて、年賀ハガキを売り込むのに必死な様子ですし。
お花屋さんも仏壇が減って、花を飾る機会が減ったなんて言っていました。
日本酒もそうだし、車もそうだし、パソコンもそうだし。

今の支配企業に対抗するには変化は必要

世の中変化するので、魚の代わりに肉を食べられたり、日本酒の代わりにチューハイを飲まれたり、車で移動しなくても通信ができたり、パソコンの代わりにスマホになったり・・・決して珍しいことではないです。

むしろ、変化がなければ今の支配的な大企業に太刀打ちできないわけで、実は中小企業にとって「衰退」はチャンスです。

今も昔も「おごれるものは久しからず」なのです。

時流の変化にどう向き合うか、なのですが、ついつい今脚光を浴びている業界に飛びつきたくなるかもしれません。

でも、「衰退する業界」からな逃げるばかりが手ではないのです。

いまさらMP3プレイヤー?

たとえば、最近、10年ぶりぐらいにMP3プレイヤーを買い直したのですが、その理由を説明したいと思います。


スマホになってから、音楽もスマホで聞いていて、しばらくMP3プレイヤーは使っていませんでした。

実際、MP3プレイヤーの代名詞だったiPodやWalkmanも開発のサイクルが停滞しているようです。

ですが、実はスマホは情報が多すぎて、逆に疲れるんですよね。

こんな経験ないですか?ただ、音楽が聴きたいだけなのに、メールのチェックをしてしまったり、ネットを見てしまったり・・・

「断捨離」を知ってから意識するようになったのは、身の回りの情報の削ぎ落としです。

一度捨てたモノでもほしくなる

そうなると、断捨離には逆行するのかもしれませんが、逆に買い直すモノがあります。

本当によく使うものは、一度捨てたモノでもほしくなるのです。

でも、買う観点が変化しています。

今回、MP3プレイヤーには、とくに利用したいシーンを重視して選びました。

それは、休日にスマホを離れて、のんびり音楽を聴きながら本を読む、という使い方です。

私は休日には胸ポケットがない服を着ることが多いです。

すると、ズボンに入れたスマホからイヤホンが伸びてきて、けっこううっとうしかったです。

そこで、MP3プレイヤーはクリップで止められる小さなものにしました。

あと、家では窮屈なイヤホンではなく、スピーカーで聞きたいので、Bluetooth対応も条件にしました。

ただ音楽が聴きたいのではなく、ゆったり聴きたい、というのがあります。

この「ゆったり」が、「新たな付加価値」なのだと思います。

商品・産業への恩返し

さて、話を戻すと、時代の変化でモノが売れなくなるのは当然。

モノではなくシーンに注目してみましょう。

MP3プレイヤーが欲しかったのではありません。

気づいたらがちゃがちゃしていた休日の過ごし方を変えたかったのです。

そうすれば、同じものにも新たな価値が見えてくるはずです。

ただ、この体験価値は、その人一人ひとりのライフスタイルそのものなので、なかなか相手の希望に合わせるのは大変です。

だからこそ、こちらからシーンを提示して、共感してもらって巻き込む必要があります。

もし、自分が衰退産業にいると思ったなら、その、かつて必要とされたものに対して、もう一度新たな意味づけを見つけてあげてください。

「衰退」といわれても、「愛着」のある商品ですよね。

その商品で生活してきた人間としての「恩返し」ができるといいですね。