キラキラすぎる勧誘DMから学ぶマーケティングとセールス

 

子どもを連れ回して飛行機に乗るとか、ストレスはんぱない気がする…トイレとか

ツイッターをしていると「ビジネス」を勧誘するメッセージ(DM)を頂くことがあります。

この記事では、マルチ商法の勧誘DMについて思うことを書いていきます。
  • マーケティング…見込み客を募る
  • セールス…実際に顧客に販売する



私はマルチ商法が苦手

まず、私は「マルチ商法(MLM)」が苦手です。

基本的にマルチ商法については、どうしても「吸血鬼」を思い出してしまうんですよね。

ロマンシング・サガ より ヴァンパイアとヴァンパイアのしもべ

  • 吸われることで感染し、
  • 人を食べ物と認識するようになってしまう恐ろしい病。
  • 日の当たるところでは生きられなくなってしまう。


古い神話や伝説はなにかのメタファー(隠喩:実際にあったことをわかりやすく言い換えている)だと思うので、きっと吸血鬼の物語も、昔の人のこのような戒めなんだとおもうんですよね。

もちろん、商品プロモーションの一つのやり方として、「マルチ・レベル・マーケティング(Multi-Level Marketing)」という手法があるのはわかります。
  • テレビCM(Mass marketing)
  • 外交販売員(Walk-in sales)
  • 口コミ(word-of-mouth marketing, WOMM)
とは違った有用性があるのは理解できます。



しかし、MLMは素人を「セールス」として引き込む仕組みなので、「慣れていないこと・苦手なことを生業にする・させる」ことになります。

「人の役に立つ」という付加価値生産の時間効果が低くなり、けっきょく誰も幸せにできないのではないかと思うんですよね。

クラクラワードのマーケティング

さて、ビジネス勧誘系のDMをいくつか読んでいくと、一つのパターンに気づきます。

それは「不労所得」「海外旅行」「億万長者」などとキラキラというか、クラクラするような言葉とイメージで誘ってくることです。


みんな決まって笑顔で、海外リゾートのビーチで飛び跳ねてます。

いやいや、子どもいたら海外旅行とかめっちゃ大変でしょ。飛行機で泣くし。

この笑顔の写真一枚撮りにいくためにどんな苦労をしたのかな。

そこまでしてイメージ写真を撮る必要があるってことは、この写真の発信そのものが仕事なのかな、など想像が広がります。

マーケティングのセグメンテーション、つまりどういう顧客をターゲットにしているかと視点からは、こういう「キラキラ」イメージに飛びつく層を狙っているんだろう、と考えられます。

だから、結局、金づる集めなのかな、と感づいてしまうんです。

それで何をする事業なの?

もう一つ気になるのが、何をする仕事なのかという肝心の話は「もったいぶる」。

普通のお仕事のDMを作るときは、会社名とか事業内容を印象付けようとしますよね。

「○○印刷」とか「××不動産」「~~司法書士事務所」みたいな名前と電話番号は一番目立たせます。

そりゃそうで、ただ「チラシを作りませんか?」だけなら、お客さんは競合の印刷会社に行ってしまうかもしれません。

でも、こういったDMはよっぽどの自信なのか、ふるいにかけているのか、すごく手間を掛けさせるんですよね。


ライン@の登録とか、メルマガの登録とか、「ここをクリック」とか。

多分、ハードルの低いクリックを何回かさせておくと、最後の判断でもクリックしやすい、みたいな心理トリックがあるんでしょうね。

興味ありますか?

DMで「(ありがちな儲け話に)興味ありますか?」と聞かれると、「(その人の脳内にある世界観について)興味あります」と答えることがあります。

時間と心の余裕があれば(*'▽')

これは別に相手をバカにしたり、「論破」したいからというわけではありません。

この記事も私なりの疑問・違和感を表現しているだけで、否定するつもりはありません。

むしろ、自分とは違う見方で暮らしている方と話すという機会は、とてもありがたいことですし、お互いに何か気づくことがあるかもしれません。

わたしからすると「不条理なこと」を信じこんでいるように見えるので、その背景にある事情や精神構造から学べることはないかなと思っています。

実際、身の回りでも儲け話の詐欺にひっかかってしまった方には、知的障害があったり、精神疾患があったり、孤独や不安があったりと事情のある場合は多いです。

ストレスにさらされたり高齢になったりで、認知機能が衰えることは誰にでもありますから、これは他人事ではありません。

未来の自分にとって、認知の囚われから自由になるヒントがあれば、と思ってやりとりします。

心の殻とコピペセールス

しかし実際にメッセージのやり取りをすると、なかなか心の殻が硬くてたどり着けません…

とくに心の殻の硬さを感じるのは、そのメッセージの長さです。

間髪を入れずトークで圧倒しようとするから、なかなかキャッチボールにならない。

水色が私の発言、グレーが相手の方の発言

最初は儲けるためのトークだから一方的に伝えようとしてくるのかなとも思いました。

でも、通常のお仕事で優秀なセールスの方は、むしろ言葉のキャッチボールを大切にしていますよね。

どちらかというと「ひたすら聴いて最後に提案」というのが販売の定石だと思うのです。

どうしてセールスDMなのに会話を避けるの?

どうして会話のキャッチボールにならないのかな、と考えてみました。

実は自分にもそういうケースはあります。

それは「キャッチボールしたくない」時です。

対面営業でもクレーム処理でもそうですが、自信がない新人の頃は、やたらしゃべってしまうものです。

突っ込まれることへの不安とか、上手に丸め込んで説得しなければ、という焦り。

そもそも、リプでなくDMなのが、不安やうしろめたさの顕れなんですよね。

しかし、DMという特性上、密室ではあるものの監禁しているわけではないので、勧誘される側にはゆっくり考える時間も、検索して調べる手段も、無視して離れる選択肢もあるんです。

きっと、マルチ商法の勧誘はイバラの道。

疑いの目で見られる繰り返しで傷つき、心は瘡蓋だらけで殻になってしまうのかも。

唐突に「あなたのために」って送って来るもんだから、私だって「あなたのため」を思ってしまいます(返報性の原理)

最近減ったDM勢は今いずこ?

でも、最近怪しいDMを受け取ることもだいぶ減ったので、もっと低年齢な場に移っていったんでしょうね。

それはそれで怖い…

私のマルチ商法についての雑感でした。

もし、私を「しもべ」にしたいという方は、以上の傾向と対策を頭に入れていただくと、素敵なビジネスパートナーになれるかもしれません。

同じ時間を使うなら楽しいことに使いたいです。

お決まりのパターン

だいたい、こういうエントリーの最後は、「~~のビジネスは怪しい。そんなあなたに私がお勧めするとっておきのビジネスは」という締めがあるんですが、何を勧めたらよいか悩むところです。

今、一番のおススメは「梅シロップづくり」でしょうか。

やってみると意外なほど簡単

これこそ、材料を放り込んでおけば、どんどん価値が生まれる「不労所得」。

人のまねで今年初めて漬けてみた受け売りですが、めっちゃ子どもも喜びました



しかも、こんな風に相手の気持ちに尊重しながらお断りするときに、自分の価値観(自分軸)の説明としても使えます。

富がありあまっていて、少しリッチな梅シロップを作りたい方には…



 ささやかな幸せに気づけますように。

おっ、3500文字書けた~