Twitterの「トップツイート」で表示されるツイートの傾向も変わっているように思います。
この記事では「インターネットの機械的な情報選別」について思うことを書きます。
私の生活とGoogle、Youtube
情報選別といえば検索、検索といえばGoogleです。GoogleはYoutubeを子会社にしていて、広告掲載などでも連携してます。
私はYoutubeに動画を投稿したり、ブログにAdsense広告を掲載したり、また逆にGoogle広告に出稿することもあるので、Googleのアルゴリズムは気にすることがあります。
また、暇つぶしではYoutubeをだらだら見ることも多いです。
それに、よく考えるとAndroid端末とかGoogleフォトとかGoogle Play MusicとかChromecastとかを利用していて、かなり生活にも浸透しています。
Google Homeで音楽を聴くためにGoogle Play Musicにアップロードした
こんにちは。Google Homeで音楽を聴こうとして、いくつかのエラーに遭遇しました。 特に普段Play Musicを使っていなかったので、Google Homeに音楽をキャストしようとするとなかなか大変でした。 Google Homeで音楽を聞くには、音楽プロバイダへのリンクを設定し、そのうちの1つをデフォルトとして選択してください。 Google ...
気づかないうちにずいぶん浸食されていますね(;'∀')
文字だけのスライドならブログにしろ
Googleという企業の「報酬システム」のハンドリングは巧みだと思います。
2019年4月のツイートですが、ここにもあるようにいつからかYoutubeの動画で文字だけのプレゼン動画が一気に増え(これは何かの情報商材の影響っぽい…)、また現在(2019-08)はかなり減りました。YouTubeが文字だけスライド動画の収益化を禁止したらしく、誰とは言わんけどめっちゃ影響受けそうな人がいるな、などと— hpp🌝 (@osaremochi) April 21, 2019
視聴者としてYoutubeを見ていると、サムネイルの煽りだけで実際は文字をだらだらと読まされる動画が多かったこともあったので、よい変更だと思います。
確かに、合理主義者からは見たら「文字だけのスライドならブログにしろ」って見えるんでしょうね。
こういう変更をみると、Googleという会社は「理想」の情報ネットワークをつくるために、報酬システムのハンドリングを上手に使っていると思いました。
これまでも収益化条件を厳格化したり…
Googleの考える「理想」については後半に♪
情報の検索と広告
これはGoogleが検索(情報選択)と広告(収益化)という2つのビジネスを同時にになっているからこそできることです。当初のGoogleという検索エンジンの情報価値の測定方法は、「ページランク」というもので、主に「リンク数」と「単語の合致率」を見るものでした。
しかし、ブログの世界に広告の仕組みが導入されることで、「価値」のない情報の氾濫が一時的に起こりました。
ワードサラダ(閲覧者を特定のウェブサイトに誘導することを目的とした意味が破綻している文章)のような、検索エンジンをだます情報コンテンツが増えてしまいました。
人によってはそういう見掛け倒しの情報コンテンツの作成を推奨するようなこともありましたね…
しかし、現在は報酬の与え方によって「価値」のない情報を淘汰し、「価値」のある情報を促進しています。
冒頭のYoutubeの字幕動画についてもそうですし、Adsenseの審査基準の厳格化などもそうです。
ちなみに「広告収入モデル」の意味についてはこちらを。
Googleの10個の理念
企業活動というのは、経済システムに作用しながら、持続的な収益を上げつつ、「理想」を実現する仕組みだと思います。Googleは、10個の理念(Ten things we know to be true)を掲げてるので、見てみたいと思います。
いろいろなシステムやプロダクトの理念や思想を見るのは面白いですよね(^^♪
- 【ユーザー第一】Focus on the user and all else will follow.(ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる)
- 【検索問題に集中】It’s best to do one thing really, really well.(1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番)
- 【時間は貴重】Fast is better than slow.(遅いより速いほうがいい)
- 【投票原理】Democracy on the web works.(ウェブ上の民主主義は機能する)
- 【モバイル】You don’t need to be at your desk to need an answer.(情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない)
- 【誠実であれ】You can make money without doing evil.(悪事を働かなくてもお金は稼げる)
- 【情報のネットワーク化】There’s always more information out there.(世の中にはまだまだ情報があふれている)
- 【グローバル】The need for information crosses all borders.(情報のニーズはすべての国境を越える)
- 【遊び心】You can be serious without a suit.(スーツがなくても真剣に仕事はできる)
- 【満足の上へ】Great just isn’t good enough.(「すばらしい」では足りない)
とても、ユニークで明快な理念ですよね。Google について | Google - Google
Google がこの「10 の事実」を策定したのは、会社設立から数年後のことでした。Google は随時このリストを見直し、事実に変わりがないかどうかを確認しています。Google は、これらが事実であることを願い、常にこのとおりであるよう努めています。 Google ...
これらの理念をみると、Googleの多方面に広がる動きの意味が理解しやすいと思います。
コンテンツ提供者から見て、Googleの好ましさは、基本的には情報の価値判断をユーザーの行動(ビッグデータ)によっている点です。
小手先のSEO(検索エンジン最適化)ではなく、本当に訪れた人に価値のある情報コンテンツを提供することに集中できる仕組みを作ろうという試みはとても面白いと思います。
Googleの危険性
私はGoogleの価値観に共感しつつも、一つ危険に思っていることがあります。それはAdsenseの却下やYoutubeのBAN(アカウント凍結)に対する理由説明が弱いことです。
AIによる自動選別が進み、誤った判断も増えています。
あるいは、判断自体は妥当であったとしても、どう直せばよいのかを具体的に示されないと、過度の自粛現象が起こってしまいます。
これはGoogleプラットフォーム内の情報が多様性を失ってしまう危険があります。
機械学習などによるAIの判断は、もはや人間にも理解できない「総合的な判断」なので、判断基準を人間に理解可能な形で出力できるようにしていくことがユーザー利便性からも必要なのではないでしょうか?
その辺の研究・技術革新には注目していきたいです。
検索エンジンの未来
ただ、一方で現在の情報ネットワークは、まだまだ見出しやサムネイルで人を煽るコンテンツが氾濫しているのも事実です。これは投票原理から起こる必然です。
これまでも週刊誌の中づり広告など、手に取らせないと売れない情報コンテンツは扇情的でした。
これに対してどう対処していくのか、というテーマはとても興味深いです。
情報ネットワークと人のネットワーク
私自身としては最近改めて注目しているのは、人のネットワークです。SNSでのやり取りでも思うのですが、フィーリングが合う人が認める人や情報は、自分にとって価値がある(信憑性の薄い情報が少なかったり、内容的に共感できるもの)場合が多いです。
知らない人の口コミから、知っている人の口コミに回帰しているように感じます。
Twitterのトップツイートの内容の変化
実はこう考えたのは、最近のTwitterのアップデートです。「ホーム」ではトップツイートが優先的に表示されます。
最新ツイート表示に切り替える
Twitterを利用していて思ったんですが、どうも先月(2019年07月)ごろから「トップツイート」で表示されるツイートがの傾向が変わったようです。
煽りツイートから共感系ツイートへ
これまでは「いいねやリツイートの多いツイート」が多かったんですが、最近は「かかわりのあるフォローの関連するツイート」が多くなったように感じます。一時期はホームを見ても「煽り系ツイート」が多くてあんまり気乗りしなかったんですが、最近はいいバランスになったように思います。
ちなみに「いいね」 などの通知から相手のタイムラインを見に行く、という原始的なことをしていました。
「みんなが求めるモノ」から「あなたが求めるモノ」というのは、マーケティングの歴史をみても全うな流れなのです。
Youtubeのおすすめもユーザー選択から精度をあげていることを考えると、閲覧・評価(fav)・コメント(Reply)・拡散(RT)といったインタラクションが活発なほど、おすすめ(情報選別)の精度が上がっている傾向がある気がします。
Web検索でのインタラクションは、クリックや滞留時間、離脱率といった行動を評価できますが、評価・拡散といった感情的(emotional)な評価がまだ弱いように感じます。
読者属性に合ったコンテンツ表示
では、何が問題なのか?検索を初めて覚えた人の行動を観察するとわかるのが、「検索結果が難しすぎる」ということに困惑する姿です。
こういう経験ありませんか?
検索して調べたけど、結局わからなかった。
GoogleのWeb検索のかなり多くの一位を占めているサイト、といえばWikipediaです。
確かにWikipediaに有益な情報は多いのですが、いかんせん難しい記事も多いです…
これは読者であるユーザーの知識や経験に反映された検索結果ではないからです。
たまには息抜きを、たまには箸休めを
もう一つは、人はいつもいつも「情報」を探しているわけではない、ということです。レシピやビジネス書だけでなく、時として息抜きに小説やエッセイなどを読みます。
Web検索がつねに同じ結果だそうとするとこういった文章の場所を作ることができません。
この考えは、以下のツイートを参考にしました。
この現象でわかることは、「すべての人に理想的なコンテンツ」はもはや理想的ではないということです。投資ブロガーさんのお口に合うか分かりませんが、— ねこまにあ🌖🐱ゆるふわ積立投資家🌱 (@necomania7) August 19, 2019
小説好きな私の口には合いまくりな記事😊
特に情景描写がとても好きですねー。
難しいモノばかり読んで疲れた時の箸休めになります。
私は2回読みました。笑 https://t.co/5PPfpD6yQk
かつて自動車も速さや燃費で選ばれましたが、今は「デザイン」や「ライフスタイル」も重視されていますよね。
これまでは情報の価値が「正確さ」や「人気」によっていました。
しかし、そういった情報がありふれてきて、そういう情報に疲れてきて、情報の価値が「語り口」にうつってきているように思います。
SNSのビックデータ化と検索
そういう体験から考えると、検索エンジンの今後はSNSとの連携にあると思います。私たちは人との付き合いをするときに、その人が有益な情報を提供してくれる、ということだけで行動しているわけではありません。
話し方とか感性とか、性別・年代やどんな経験をしているか、などいろんなところに惹かれますよね。
アカウントを通してソーシャルグラフ(人と人とのつながり)を理解することで、検索エンジンはユーザーのことを知り、精度を上げていくのではないかと考えています。
その人だけの検索行動だけではなく、つながりのある人の検索行動も情報選択に反映されるようになっていくのではないでしょうか。
ただ、現状GoogleのもつSNSは、Youtube・Gmail・Google+と規模は大きいものの交流の活発さではまだまだぱっとしていません。
どのように解決していくのでしょうか。
Instagramは画像情報(画像検索)や位置情報(マップ)と、Twitterは文章系コンテンツ(Web検索)と相性が良いように思います。
このように考えると「雑記ブログから特化型」という流れも一時的なもので、「面白い人」の情報コンテンツの価値評価も上がってくる、そんな風に思うと楽しいですね。
雑記ブログというのはその人の文体や行動など、とても属人的な魅力がたくさんあります。
面白い記事を書けば、検索エンジンはきっとうまくあった人を連れてきてくれるんではないでしょうか?